21Dec

『轻小说・三秋缒』我曾打着电话的那个地方(十九)

时间: 2015-12-21 分类: 我曾打着电话的那个地方 作者: kk

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语言:   大陆 港澳 台湾

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病院の前方には大きな川が流れていた。河川敷は人の背丈ほどの草木に覆われていて、どこまでが地面でどこからが川なのかはっきりしなかった。堤防上の舗装路も道脇に生い茂った雑草に大部分を浸食されており、とても人が歩けるような状態ではなかった。川の向こうにはこんもりとした緑色の山々が見え、麓から中腹にかけていくつか鉄塔が並んでいた。綾さんを待つ間、僕はどこに焦点を合わせるでもなくその長閑な風景をぼんやりと眺めていた。

ややあって、正面入り口から綾さんが姿を現した。くたくたのTシャツに裾のほつれたデニムのスカート、化粧は崩れ気味で髪も乱れており、前回会ったときと比べると三歳ほど老け込んだように見えた。

医院的前面流着一条大河。河岸边覆着的草木有等身宽,地面与河的界限便不明了了。堤边的砂石路也大部分被道旁丛生的杂草侵蚀了,怎么看也不像是人能走过的状态。在隔着河的对面看得到有绿意盎然的群山,从山脚到山腰有几个电线塔排成一列。在等绫的时候,我没有把焦点对准哪里,只是朦朦胧胧地眺望着这平静的风景。

稍过了一会儿,绫在正门现了身影。穿旧了的T恤,还有下摆绽了线的牛仔裙,妆稍稍脱掉了,头发也散乱着,跟上次见面时比起,显起来老了三岁一般。

 

「悪かったね、急に呼び出して」綾さんはくたびれた微笑みを僕に向けた。「雅史にも後で何か埋め合わせをしないと。……それじゃ、いこうか」

「ちょっと待ってください」僕は慌てて彼女を引き止めた。「僕はこれから、唯さんと面会させられるんですよね?」

「当たり前じゃない。それとも、他に知り合いが入院してるの?」

「そういうわけじゃありません。ただ、今の唯さんに僕が会いにいっても、逆効果なんじゃないかと思ったんです。僕が会いにくることは、本人には伝えてあるんですか?」

“抱歉啊,突然把你叫出来,”绫带着疲倦的微笑面向我,“之后还得还雅史这个人情。……那么,一起走吧。”

“请稍等一下,”我慌张地拉住她,“现在是要让我去探视唯吗?”

“那不是当然。难道说,还有别的认识的人在住院?”

“并不是。只是觉得,现在要我跟唯见面也只会有反作用吧。我来跟她见面的事,已经告诉她本人了吗?”

 

「伝えてないよ。でも大丈夫、安心して」綾さんは僕に笑いかけたが、その目はどこかうつろだった。「今の唯は、ここ数年にないくらいとっても穏やかな気分でいるみたいだから。ただ——」

そこまでいいかけて、彼女は思い直したように言葉を切った。

「……いや、私の口から説明するより、直接会ってもらった方が早いね」

“还没说哦。不过没关系,放心吧。”绫对我笑着,她的眼神却有些空洞。“因为现在唯的心情,似乎差不多可以说是这几年从没有过的安稳的样子。只是——”

说到那里停了下来,她像是改了想法,不往下说了。

“……不了,比起我来解释,还是直接见面更好明白吧。”

 

ドアを潜ると、消毒薬と病人たちの体臭の入り交じった病院特有の空気が僕を包み込んだ。廊下の蛍光灯は淡く青みがかった光を発し、ただでさえ陰気臭い院内をより居心地の悪い空間にしていた。リノリウムの床はあちこちが黒ずんでおり、受付前の古びたソファは修繕の跡でいっぱいでなんともいえずみすぼらしかった。

受付で面会許可証を発行してもらうと、僕は綾さんに連れられてエレベーターに乗り込み四階まで上がった。ドアが開け放たれている病室の前で綾さんは立ち止まり、無言で室内を指さした。僕の立っている位置からでは角度のせいで中が見渡せなかったが、入り口に「初鹿野唯」の名前が書かれたプレートがあった。他に三人分のプレートを入れるスペースがあったが、いずれも空だった。四人部屋だが、今は初鹿野しか入院していないということだろう。

走进门,我就被医院特有的、混杂着消毒水气味和病人们的体味的空气包裹住了。走廊的荧光灯发出的光带着淡淡的青色,把本就阴森的医院弄成了让人感觉愈发不舒服的地方。亚麻油地板上到处都透着黑,医院前台陈旧的沙发全是修补的痕迹,说不出的寒酸。

在前台领到探视许可,我被绫带进电梯,上到四楼。绫在敞开着门的病房前停下了脚步,沉默地指向屋内。我站的位置因为角度问题看不清室内的全貌,但是门口有写着“初鹿野唯”的牌子。明明还有能放三个人的名牌的地方却都空着。本能住四个人的房间,只有初鹿野一个人住着吧。

 

僕は胸に手を当てて深呼吸した後もう一度初鹿野の名が書かれたプレートに目をやり、腹を決めて病室に足を踏み入れた。

狭い病室の四隅にベッドがあり、入り口から見て右奥のベッドに初鹿野はいた。薄水色の病衣を着た彼女は分厚いノートらしきものに読み耽っており、僕の来訪に気づいていない様子だった。一体何をそんな熱心に読んでいるのだろう? 僕はそっと歩み寄り、彼女の手元にあるものを覗き込んだ。内容まではわからなかったが、手書きの短い文章がたくさん並んでいることだけは確認できた。

そのとき、初鹿野がようやく僕の存在に気づいた。彼女はびくりと体を震わせ、素早くノートを閉じて僕の目から隠すように枕元に置いた。

初鹿野は僕と目が合うと、照れくさそうな顔でぺこりと頭を下げた。

我把手抵在胸口深呼吸之后,再看了一眼写着初鹿野名字的牌子,下定决心踏入了病房。

狭小的病房四角放着床,在门口看到初鹿野在右边里侧的床上。她穿着粉蓝色的病号服,正埋头读着厚厚的像是笔记的东西,看起来没有注意到我的来访。那么热忱地到底是在读着什么呢? 我悄悄地靠近,窥探着她手上的东西。看不清是什么内容,只确定了上面一条条地写着不少短短的文章。

这时,初鹿野总算注意到了我的存在。她吓得抖了下身子,迅速合上了笔记,放到了枕边,不让我看到。

初鹿野刚跟我对上视线,就看起来一脸不好意思地匆忙低下了头。

 

その反応に、僕はいいようのない違和感を覚えた。

「初鹿野」辛うじて喉から出てきたその声は、自分の声じゃないみたいだった。「もしかして、君は——」

「あ、あの、すみません」と初鹿野がそれを遮った。「お話しする前に、ぜひとも確認しておかなければならないことがあるのですが……」

彼女は気の毒になるくらい萎縮した様子でうつむき、ゆっくりと全身で呼吸した後、思いつめたようにいった。

あなたのお名前は、なんですか?」

視界の景色から色味が失われていき、意識を直接揺さぶるような耳鳴りがした。

对这样的反应,我感受到一股说不出的违和感。

“初鹿野,”好不容易从喉咙里挤出的声音,仿若不是自己的一般,“难道,你——”

“那,那个,不好意思,”初鹿野打断道,“在谈话之前,有件事务必要确认一下……”

她可怜兮兮地蜷缩着低下头,慢慢地用全身呼吸之后,怎么都想不出一般,说道。

你的名字,是什么来着?”

视野里的景色褪去了颜色,一阵耳鸣直接冲击着神智。

 

 

言葉を失って立ち尽くす僕に、初鹿野は無邪気に語った。

「――私が今いる場所は、病室。今寝ているこれは、ベッド。窓の外に見えるのはケヤキで、季節は夏。そういう知識は、何一つ欠落していないんです。この通り、言葉もはっきりと喋ることができます、でも、鏡を見ても、そこに映っているのが自分だという気がしないんです。まるで年上の親戚でも見てるみたい」

それが記憶喪失――正確にいえば逆行性健忘――の症状であることは、誰の目にも明らかだった。おそらくは心的外傷からの逃避反応。あるいは低酸素脳症による記憶障害。だがそんなことはどうでもいい。

对呆立着说不出话的我,初鹿野单纯地说道。

“——我现在所在的地方,是病房。现在正躺着的这个,是床。窗外看得到的是榉树,季节是夏天。这些知识一点也没有丢掉。也能像现在这样清楚地说话。可是就算去照镜子,也没有‘镜中的映像就是自己’的感觉。就像在看着一个年长的亲戚一样。”

那是失忆——准确地说是逆行性遗忘——的症状,谁都能明确地看出来。大概是精神创伤导致的应激反应。或者是大脑缺氧导致的记忆缺失。但是那些都随便了。

 

僕の関心は、記憶喪失の原因ではなく、それがもたらし得る未来の方にあった。

「だから、あなたが誰で、私とどんな関係性にあったのかもわからないんです。せっかくお見舞いにきてくれたのに、すみません」

それを喜ぶのが不謹慎だということは、百も承知だ。

だが、ひょっとしたら、あるいは。

彼女の記憶障害がごく一時的なものではなく、今後もしばらく続くとしたら。

深町陽介は、初鹿野唯と一からやり直せるのではないか

我在意的,不是失忆的原因,而是它能带来的未来。

“所以,我连你的名字,我们有什么关系都不知道。特意来看望我却这副样子,对不起。”

对她的失忆感到窃喜是很轻率的,这点我很清楚。

可是,万一,或许。

她的失忆不是短短一段时间的事,而是之后还要持续一段时间下去的话。

深町阳介,不就可以和初鹿野唯从头来过了吗

 

しかし僕の期待は、初鹿野の次の言葉によってあえなく潰される。

「ただ、幸いなことに、記憶がなくなる前の私は、毎日欠かさず日記をつけていたみたいなんです。姉が持ってきてくれた荷物の中にそれが入っていました。日記といっても、箇条書きのメモと変わらないような淡白なものですけどね。……あ、だからあらかじめいっておきますけれど、私が海に落ちたのが事故じゃなくて自殺だったということは、無理に隠さなくても大丈夫ですよ」

初鹿野はそういって屈託のない笑みを浮かべた。

僕は彼女の枕元にあるノートに目をやった。思えば、僕はそのノートに見覚えがあった。綾さんの力添えで初鹿野の部屋に入ったあの日、机の上にこのノートが開いた状態で置いてあった。おそらく僕がやってくる直前まで、彼女はあそこで日記を書いていたのだろう。

可是我的期望,被初鹿野的下一句话轻易地击溃了。

“不过万幸,失忆之前的我,似乎每天都有记着日记,一天不差地。在姐姐带来的行李里放着。说是日记,倒是跟逐条写下的备忘没什么差的、平淡的东西。……啊,所以事先说一下,我落海不是事故而是自杀这件事,不必刻意去隐瞒的。”

初鹿野那样说着,露出了爽朗的笑容。

我把视线投向她床头的本子上。说起来,我看到过那本本子。在绫的帮助下进到初鹿野房间里的那天,这本本子正在桌上摊开摆着。大概直到我过去之前,她都一直在那里写着日记吧。

 

初鹿野が毎日欠かさず日記をつけていたという事実は、少なからず僕を驚かせた。とうに彼女は自分の人生への関心など失っているものと思っていた。これから自殺しようという人間が毎日日記をつけたりするものなのだろうか? それとも、これから自殺しようという人間だからこそ毎日日記をつけていたのだろうか?

初鹿野は僕の目線に気づき、ノートと僕の間を遮るように体の位置をずらした。

「まだ日記はここ数日分しか読めていないんですが、どうやら初鹿野唯という人間は、強い自殺願望を持っていたみたいですね。原因について言及された部分はまだ見つけられていないんですが、どうせこの痣を気に病んでのことでしょう。記憶喪失は、自殺願望から逃れるための最後の手段だったのではないでしょうか。情けない話です」

“初鹿野一天不差地记着日记”这个事实让我颇为震惊。一直以为她早就对自己的人生漠不关心了。打算之后就自杀的人难道还会每天记日记吗? 还是说,难道正因为是之后就要自杀的人,才会每天记日记吗?

初鹿野注意到了我的视线,挪了挪身体的位置,挡在了我和本子之间。

“日记才只看了几天的,但是感觉初鹿野唯这个人自杀的意愿似乎非常强烈。虽然还没有发现提及原因的部分,但总归是在为这颗痣烦恼的缘故吧。失忆,说不定也是逃脱自杀意愿的最后手段吧。真是难以启齿的事情。”

 

話の間ずっとうつむいていた彼女はそこで顔を上げ、前髪の下から僕の目を覗き込んだ。「ええと、それで、そろそろあなたの名前をお伺いしたいのですが……」

「もう見当はついてるんじゃないのか?」審判の瞬間を一秒でも遅らせたくて、僕は回答を濁した。「日記を読んだんだろう?」

「ええ、日記を読む限り、私のお見舞いにきてくれるような人なんて限られてるみたいですから、見当はついてるんです。でも、確証がなくて」

说话的时候一直低着头的她,这时抬起了头,从刘海下窥视着我的眼睛。“呃,那个,差不多该问一下你的名字了……”

“你已经有大致的猜测了,不是吗?”即使是一秒,也想拖延审判的那瞬间,我刻意含糊其辞道,“不是已经看了日记了吗?”

“嗯,据我看了的日记,看起来会来看望我的人似乎就那么几个,所以大致预想得到。可是没有确实的证据。”

 

そこでふと、彼女は僕の手元にぶら下がっているものに目を留めた。

「……それって」

初鹿野は望遠鏡のケースを指さした。

那时她突然注视起我拎在手上的东西。

“……那个是。”

初鹿野用手指向望远镜箱。

 

 

「もしかして、あなたが檜原裕也さんですか?」

“难道,你就是桧原裕也吗?”

 

 

長い逡巡の後、僕はゆっくりと頷いた。

そのとき初鹿野が浮かべた笑顔は、これまで一度も僕に向けられたことのない、特別な種類のものだった。

ああ、彼女は、檜原の前ではこんな風に笑うんだな、と僕は思った。

迟疑了很久之后,我缓慢地点了点头。

那时初鹿野展现的笑容,是至今从未对我露出过的,一种特别的笑容。

啊,她在桧原面前是这样笑的啊。我想到。

 

     *

 


kk:明明这么老套怎么有点想哭?(′︿‵。)

 

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Comments

目前有 2 条精彩评论

  1. 醬油Project
    醬油Project 发表于: 2015年12月22日 00:57:19

    深町为了初鹿野竟然点头……真的是…虽然结局啥的是经典套路,但是不能忍

  2. 777
    777 发表于: 2015年12月22日 09:38:32

    呜……这、这算什么啊……虽然老套但是却意外的揪心

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