『长篇故事・2ch』我和宅与公主殿下(十二)
291 名前:70 ◆DyYEhjFjFU 投稿日:04/09/04(土) 18:42
店を出ようとドアを開くと、雨脚が強くなってた。
今年の正月はなんだかずっとこんな空模様だ。
弱い雨が降ったりやんだり、忘れてると強く降って気にすると弱くなる。
カラオケ店は歩いてすぐらしいけど、雨の中歩くとなると辛い距離だ。
寒さも水滴と湿度のせいで堪えるし、姫様の鼻の頭はもう真っ赤だった。
その時後ろから誰かが声をかけてきた。
打开店门正准备出去时,雨势更大了
今年的正月好像一直是这种天气
小雨时下时停,不在意的时候下的更大,在意时却又变小了
卡拉ok虽然走路马上就能到,但在雨中就有些艰难了
寒冷因为水滴和湿度的原因让人很难忍受,公主的鼻尖已经冻得红红的了
那时,从身后听到了谁的声音
「よう」
と言って傘を差し出してくれたのは、昨夜の彼女だった。
店の屋根というか、突き出したわずかなでっぱり伝いに歩き
そこで止まってるぼくらを見かねて、傘を持ってきてくれたらしい。
「事務室の窓から見えるんだよね」
彼女はそう言って笑った。
「助かるよー、カナ。仕事はもう終わり?」
「哟」
说着把伞递过来的,是昨天的女孩
她沿着那不知道是否能被称作屋檐,房子探出来的些许凸起走过来
说是看见了站在那里的我们,有点不忍心,把伞拿了过来
「从办公室的窗户那里能看得到呢」
她笑着说
「帮大忙啦~加奈。已经下班了?」
「うん。事務室で着替えて煙草吸ってた。邪魔しちゃ悪いと思ってさ、声はかけなかった」
カナと呼ばれた子は、防寒用のアーミーコートを着ていて
動物の毛が縁に巻かれたフードいっぱいにドレッドが広がってて
雌ライオンにもたてがみがあるとしたら、きっとこんな感じだ。
引き締まった体。女っぽい服装じゃないのに、でもどこか色っぽい。
怒らせると、Xmanのウルバリンよろしく凶暴なライオンに変身しそうだ。
「恩。在办公室里换完衣服正在抽烟。想着打扰你们不太好,我就没过去」
叫做加奈的女孩子,穿着防寒用的军大衣
动物的毛沿着风帽那卷起来的边缘一条条展开来
雌狮如果也有鬃毛的话,肯定就是这种感觉
紧致的身体。明明不是女气的服装,却有些妩媚的感觉
惹她发火的话,估计会变身成X战警里金刚狼那般的凶暴狮子
カナと姫様はしばらく立ち話をしていた。
会話の途中、カナがコートのポケットからフロッピィを取り出して
姫様に渡すのをぼくは見逃さなかった。
煙草を受け取るみたいに、特に気にとめる様子もなくバッグに放りこむ彼女。
白い封筒にそれは包まれてたけど、間違いなかった。
持ちやすいように封筒が折られてたために、サイズと形状からフロッピィだと特定できる。
加奈和公主站着说了一会儿话
途中,加奈从大衣口袋里拿出了一张软盘
交给了公主,这一幕我没看漏
她就像接受别人递过来的烟草一样,没有特别在意地就放进了包里
虽然被白色的信封包裹着,但我没看错
为了方便把信封折了起来,从大小和形状来看,可以确定是软盘
「カナさ。暇だったらカラオケ一緒に行かない?あとは帰って寝るだけでしょ?」
彼女はバイバイする代わりに、カナにそう言った。
「カラオケ?これから?」
「うん。ヒロが歌いたくて仕方ないんだって」
言ってないよ。歌いたいなんて欲求は生まれてこのかた一度だって持ったことない。
そりゃ、部屋で好きな曲が流れてれば口くらい動かすけど、歌いたいって気持ちとはちょっと違う。
カナが笑いながらぼくを見、ぼくの顔つきから姫様の冗談を見抜くと
「加奈你,如果没事做的话要一起去卡拉OK吗?反正接下来也只是回去睡觉吧?」
她没说再见,而是对加奈这么说道
「卡拉ok?现在?」
「嗯。弘说想唱歌想唱得不得了呢」
才没说啊。想唱歌什么的欲求从生下来一次都没有过
虽然,房间里放了喜欢的曲子的话会跟着哼哼两声,但和想唱的那种不同
加奈笑着看着我,从我的神色中看穿了公主的玩笑后
「おっけい。いいよ。わたしも歌いたい気分」
意見が一致したとたん、ふたりは雨の中カラオケ店目指して一直線にだだだと駆け出した。
傘なんて必要ないじゃん。
二人のあとをとぼとぼついて行くぼく。
「ok。可以哦。我也有点想唱呢」
刚刚意见一致,两人就笔直地在雨中朝着卡拉OK踏踏踏地冲了出去
根本不需要伞呢
我跟在两人后面蹒跚的走着
292 名前:70 ◆DyYEhjFjFU 投稿日:04/09/04(土) 18:45
椎名林檎、椎名林檎、椎名林檎と3曲続いた。
4曲目はまた姫様で、椎名林檎だった。
5曲目のカナの椎名林檎がはじまると、姫様が楽曲リストをぼくに投げつけてきた。
「ヒロも歌うの。ほら早く入れて」
冗談ぽく「椎名林檎なんて歌えないよ」と言うと、熱唱中のカナが突然大笑いした。
「なんでもいいですよ。好きな曲。ほら入れて」
マイクを通したでかい声で急かされる。そういえばはじめてカナを見たときも急かされたっけ。
椎名林檎,椎名林檎,椎名林檎连续三首
第四首又是公主殿下,椎名林檎
第五首加奈的椎名林檎开始,公主把乐曲列表扔给了我
「弘也来唱。快点儿快点」
我开玩笑地「椎名林檎什么的我可唱不来」后,正在热情歌唱的加奈突然大笑了起来。
「什么都好啊。你喜欢的歌。快来快点」
通过麦克风用巨大的声音催促着我,说起来第一次见加奈的时候也被她催来着
だけど困ったことになった。
気取るわけじゃないけど、この楽曲リストはぼくには無意味。
邦楽は聴かないから、知ってる曲なんてたぶん登録されてない。
だからカラオケにはほとんど行ったことがなかった。行ってもまわりをしらけさせるし。
中学の頃、ぼくはイギリス産ロックにはまった。
過ぎ去った時代の過去の遺物。ザ・フーにはじまって…
それにしても、何か探すかとぱらぱらめくるフリだけでもする。
そこで五十音リストのアーティスト欄の「E」にイーグルスを見つけた。
但是这可是愁死我了
不是我装腔作势,这个乐曲列表对我几乎没有意义
因为不听日本音乐,所以我知道的曲子这里大概没有
所以我几乎没去过卡拉OK。去了也会让周围的人失望
中学时代,我迷上了英式摇滚
过去时代的遗物。从the Who开始…
话虽如此,我还是翻着歌单装成在找些什么的样子
然后在五十音序的歌手栏的「E」里面看到了Eagles(老鹰乐队)
へぇ。イーグルスなんてあるんだ。
一曲だけでも歌っておかないと。ってことで「言い出せなくて」を姫様に指で示した。
数桁の識別コード。
これならなんとか歌えそうだ。
诶。还有老鹰乐队么
至少得唱一首呢。于是对公主指着《说不出口》那一栏」
选择数字的识别码
这个的话应该勉强可以唱。
姫様は慣れた手つきでリモコンのスイッチを押す。
入力が完了した途端、緊張に襲われる。
どこにいてもそうなんだよな。目立ってしまうシチュエーションでは、ぼくは必ず緊張する。
緊張することがおかしな場合でも、心拍数が急カーブを描いて高まり、挙動不審に陥る。
可愛い女の子ふたりのいる密室で、心拍数の高まる男はたくさんいるだろうけど
挙動不審になる男は、たぶん少ないだろうな。
公主熟练地按着遥控器的按钮
输入完成的那一瞬间,我紧张了起来。
在哪里都是这样呢。处在引人注目的位置上,我就一定会紧张
在有两个可爱女孩子的密室里,估计很多男人心跳频率都会上升吧
但会形迹可疑的,大概很少吧
器の小さい男。楽しめない男。まわりをしらけさせる男。つまりぼく。
イントロがはじまると、緊張はピークへ。そこからはもう覚えてない。
テレビモニタに表示される英文の歌詞を必死に追った。
聴いたことのない曲が流れると、自然と視線が集まる。マイクを持った者に。
こういうことは以前にも経験したことがある。
歌い始めた途端、皆は興味を失うんだ。
そんな曲知らない。何歌いたいわけ?って具合に。
气量小的男人。不懂情趣的男人。让周围扫兴的男人。这就是我
前奏一开始,紧张就到达了顶峰。之后已经不记得了
拼命的追赶着电视显示器上显示的英文
播放没有听过的曲子的话,视线自然会聚集。聚集在拿着麦克风的人身上
然而一旦开始唱,大家都会失去兴趣。
不知道这首歌。你想唱什么?变成这种情况
293 名前:70 ◆DyYEhjFjFU 投稿日:04/09/04(土) 18:48
歌い終わると、次の入力がされてないのか、異様な静けさが戻ってきた。
ぼくはたった一曲のために汗までかいてた。
かっこわるすぎだ。
場を取り繕おうとして、次の曲、彼女達の好みを入力するために触ったこともないリモコンに手を伸ばす。
次の曲は?と促すように、その実、哀しみに満ちたすがるような視線をふたりに送る。
その瞬間だったと思う。
唱完后,不知是不是因为下一曲没有点的缘故,那异样的安静又回来了
我为了唱这首歌连汗都流出来了
逊毙了
为了修复场面,下一曲,为了选她们喜欢的歌,我把手伸向了碰都没碰过的遥控器
仿佛想要表达「下一曲是?」那般,用充满哀怨的目光看着两人
我记得是那个瞬间
カナが「すげぇ」と言った。「かっこいいじゃん」
それから口調を変えて、ぼくを見て
「イーグルスわたしも好きですよ。あの。in the city歌えないです?」
思ってもみなかった感想と展開。
英語の歌詞は大好きだとカナが言ってくれた。
うん。歌えると思う。あろうことかぼくは2曲連続の暴挙に出た。
姫様はにこにこ笑ってた。
加奈说「好厉害」。「不是挺帅的嘛」
然后改变了口气,看着我
「Eagles我也喜欢哦。那个。in the city会唱吗?」
这是想都没想过的感想和展开
加奈说最喜欢英语的歌词了
嗯。应该可以。 没想到那个我竟然会做出连唱2首的暴举
公主笑眯眯的看着这一幕
そこで注文してあった簡単な料理が遅れて届き、三人はゆっくり盛り上がっていった。
椎名林檎はさすがに飽きたみたいで、Jwaveで聴いたことのある当時のヒットナンバーが延々と続く。
女の声は好きだ。高い域でさえずるようなアリア。
心地よくてぼくはいつの間にか眠ってしまってた。
いつか見た夢。
然后点了一些简单的料理送了过来,三个人的兴致慢慢升温
似乎是椎名林檎有点腻了,之后又一直唱着在J wave里听过的当时最受欢迎的曲子
我喜欢女人的声音。广阔音域的咏叹调
舒服的我不知何时睡着了
不知何时曾经做过的梦
子供の頃、近所の空き地に寝転がって見上げた冬の空。羽ばたく雀。
姫様が手を握ってくれてたと思う。たぶん。
彼女の気配がすぐ側にあって
マイクの振動と体を揺するタイミングがシンクロして伝ってくる。
派手な雷が近所に落下して、停電の中、闇に包まれて母の側で眠った幼かったあの日の夕方
あの闇と同質の、暖かい安心してじっとしていれる闇がここにもあって
ぼくはどこまでも深く、彼女の傍らで眠った。
小时候,睡在离家很近的空地上抬头望见的冬日天空。飞翔的麻雀
朦胧中公主似乎握住了我的手。
她的气息就在身边
麦克风的震动和身体摇动的节奏同步传达过来
很大的雷声落到了附近,停电时,黑暗中在妈妈身边睡着的,小时候的那天傍晚
和那时的黑暗相同,使人温暖安心的黑暗在这里同样也有
我未曾有过地,在她身旁沉沉地睡了过去
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稍微有点..想哭的感觉
越读越有点
有种不好的预感
楼主的视线越来越暗,感觉离真实的世界越来越远,断断续续的、隐约听见了一些声音。
(只有这样了么?没有办法了么?)啜泣着……
(宾馆时已经泄露了吧。没办法的。)
(可是他只是一只人畜无害的……)
(……的死宅?)弘的手机被丢在她面前,屏幕亮着:拜托了!宅。
[惊!]模糊的眼睛怎样都不能找到焦点成像,手慌乱无力地在地上摸索着……
【呃!……呃呃呃呃……】努力发出的呻吟其实一丝声音都没有流露出来,怎样都不能回想起公主殿下天使般的轮廓,努力的想着眼前最后一丝光芒爬去,但……身体根本没有动哪怕一下……
周围很静,房间里只剩下公主殿下一个人,歌曲列表已经清空,嘀嗒……嘀嗒……重复回响着话筒上泪水沉闷的声音,公主殿下头痛欲裂一点也听不到,只是再也感觉不到一点这、刚刚还在手中抓住的温暖
【为什么…为什么会这样呢?明明是我先的……】打死!
为什么啊!!!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
这种感觉是怎么回事….
有不好的预感。。。下章开虐?