18Feb

『长篇故事・2ch』我和宅与公主殿下(三十)

时间: 2017-2-18 分类: 我和宅与公主殿下 作者: 鹳

TAGS:

语言:   大陆 港澳 台湾

上一章 目录 下一章

 

TFTの白い画面が、手のひらでぼやけた。小さくて冷たい電子機器の塊から、恐怖が伝わってくるようだった。

口の中が乾いてざらざらした。下の奥にへばりついてて、面倒があると口の中に感じる、あの苦いような熱いような不快な味が舌にひろがる。

この瞬間がやってくることはわかってた。何度か想像して身構えてもみた。だけどリアルで対抗できるかどうか自信はない。

キーに触れる指先が震えていた。

TFT白色的画面,在我眼前模糊了。一阵恐怖似乎透过冰冷的机器向我袭来

嘴里有些干涩。舌头与上颚粘在一起,能感受到口中那苦涩或是燥热的令人不快的味道在味蕾蔓延。

我知道,这一刻终究会来。曾经想象过无数次,但却还是没有在现实中面对的自信。

按下按键的手指微微颤抖着。

 

 

>唐突で意味が分かんないよ。確かなのか?

>太过突然我不明白啊。确有此事吗?

 

すぐにレスがきた。

着信したとき、姫様が隣で騒いでいた。僕の腕を引き、通りの向こうに見つけた雑貨屋を指さしていた。

「あんなとこに雑貨屋さんできてる」

回信马上来了。

收到短信时,公主在我身旁。拉着我的手,兴奋地用手指着对面的杂货店。

「那种地方都有杂货店诶」

 

>なぁ、俺を理解してくれるたった一人。相棒。

>俺が何をやってるかお前は知ってるはずだ。

>俺はIPで繋がったネットワークを彷徨う霊みたいなもんだ。

>そこじゃあ真実と嘘を書き換える手品が使える。

>そこでの俺は最高に洗練されている。

>リアルじゃゼロだが、幽霊の友人ならたくさんいる。

>顔すら知らない誰か。そいつらの一人がデリーにいることだってあるかもな。

>呐,伙伴。唯一能理解我的人。

>我在做什么,你是知道的。

>我就像是徘徊在用IP搭建起的网络上的幽灵

>那里有着可以改写真实和谎言的戏法

>虽然在现实中为零,但幽灵朋友我有很多

>甚至不知道长相的某人。他们中没准儿会有一个人在德里

 

>現地で調達したノート。

>ワイヤレスのネットワークカード。

>やつらはたったそれだけの装備で

>空港のセキュリティを突破しちまうかも知れない。

>顧客情報からメンテナンス記録の閲覧。それだけじゃないぞ。

>システムを咳こませることだってやりかねない。

>デリー国際空港はボロいが、その血脈はいまやハイテクだ。

>テロに興味はないけどな。

>在当地采购的笔记本电脑

>无线网卡

>他们只用那些装备

>就可以突破机场的安全系统

>从乘客信息到维护记录的阅览。不只是这些哦

>甚至让系统瘫痪也不是没有可能

>德里国际机场虽然破旧,但现在用的也是高科技

>虽然我对那些没有什么兴趣

 

どうやらたった一行で、オタを傷つけてしまったようだったけど、

ぼくだってそれどころじゃなかった。思考がまとまらず、ひどく焦っていた、

苛立つ理由を探れば喪失感にいきあたりそうだ。

看来我那仅仅一行话伤到了宅的自尊

然而此刻的我也顾不了这么多了。异常焦急导致思绪无法理清,

寻找焦虑的理由,也只是涌上一股失落感而已

 

 

 

 

目の前で彼女の笑顔が壊れてゆくような。だがらそこにはなるべく触れないようにした。

虫歯を避けて咀嚼する要領で、とにかく考えろ、なにか思いつけ、と自分に言い聞かせ続けた。

雑貨屋を覗いてみたくて仕方ない姫様。強引にも駒沢通りを横断しようとしていた。

無茶としてて彼女の手をとって走った。

雑貨屋は代官山らしい洒落たつくりで、僕の興味からはおよそかけ離れた商品で埋められていた。

下着とか石けんとかハーブの鉢植え、ガーデニング小物。

入り口の籐のバスケットにはクマの仲間が山積みされていた。

間抜け面のチープな編みぐるみ。

ぼくはそのうちの一匹を無造作につかむと、そのままレジへ運んだ。振り返ると、

彼女は石けんを選んでいた。

眼前她的笑容仿佛正在逐渐崩坏。所以可以的话尽量想不去触碰

总之快想到些什么,我不断的对自己说

对着跃跃欲试着想看看杂货店里面的公主,我硬拉着她横穿了駒沢路

明知乱来还是拉住她的手跑了起来。

杂货店正如代官山那漂亮的建筑风格,与我的兴趣相去甚远的商品。

香皂,香草的盆栽之类,还有园艺类的小东西。

入口处的竹篮里堆积着熊的小伙伴们。

那些一脸呆样的廉价编织玩偶。

我随手从那其中揪起一只,拎到了收银台。回头望去,

她在挑香皂。

 

 

姫様はクマの新しい友達を喜んではくれた。

でも、この子は違うときっぱり言った。この子はかわいくない。

「顔を見て選んでくれた?  たくさんいたけど、みんなおんなじ顔じゃないんだよ。

ヒロがせっかく買ってくれた子だからちゃんとしてないと嫌」

包装を破いてすぐ彼女は雑貨屋へと走って戻り、バスケットに手を突っ込んで、かわいい子を探しはじめた。

絶対に落とせないゲームで、要のプレーヤーを決めるほどの慎重さ。時間がかかりそうだった。

そこでぼくはオタを呼び出した。

公主很高兴的看着熊的新朋友。

但是她很干脆的说这孩子不是。这孩子一点都不可爱。

「你有看脸选吗? 里面有很多,大家长得都不一样哦。

 弘难得买给我的孩子,得好好选才行」

撕掉包装她跑回了杂货店,把手伸进篮子里,开始寻找起了可爱的家伙。

她挑选得无比慎重,感觉会花很多时间。

于是我给宅打了电话。

 

 

メールなんて待ってられなかった。

オタだってわかっててくれたんだと思う。

たった数回の呼び出しで男の声が聞こえた。

考えてみればぼくとオタは普段あまり喋らない。

あんなにたくさん会話するのにそれは2バイトに変換されるから。

大量の文字と画像データ。

電話の声は別人のように聞こえた。

等不急邮件了。

我能想宅也明白的。

没响几声就听到了男人的声音。

仔细想想我和宅平时很少说话。

明明说过那么多话,却都被转换成了二进制数据

大量的文字和图片文件

电话里的声音听起来就像是陌生人

 

男の声が本人だとわかるまで

道路沿いの強風の中、オタなのかと叫び続けなければならなかった。

「エアインディア」

とオタは言った。

航空会社の名。

雑音の中そこだけやけにはっきりと響いた。

途切れてしまった探索の小径の先。

オタは天才的なひらめきでもって最後に

搭乗予約のデータの中から彼女の名を引き当てた。

直到明白男人的声音是本人为止

我只能在路边的强风中,大声喊着是是宅吗。

「Air India」

他说

航空公司的名字

在杂音中只有那个声音异常清楚的回荡。

中断的线索小径前方。

宅再次天才般的灵光一闪

终于在预约搭乘的数据中找到了她的名字

 

 

ついてた。ラッキーだったとオタは言った。

たまたま航空会社のデータベースに張りついてたやつがいて。

普段なら最初の連絡だけで数日かかるほど用心深い連中なんだ、と。

リークさせるために金もかかったんだろう。

オタがそれを口にすることはなかったけれど。

真走运。宅说道

碰巧有个家伙把手伸向了航空公司的数据库

平时这群人谨慎到最初的联络就要花好几天。他说道

为了让他透露出来肯定花了钱吧。

虽然宅没说。

 

620 名前:70 ◆DyYEhjFjFU   sage 投稿日:04/10/16(土) 22:36:26

すまない。とオタは悔しがった。

新しいことはもう何ひとつわからない。

憶えてるか。3枚のgif。

インドの3つの街。ペダルタクシィの写真。

この街のどれもが電気街なんだと。日本でいうアキハバラ。

まったく知らなかったよ。路地裏に入ればウィンドウズが2ドルで買える。

この場所が選ばれたのには理由があるんだよ。絶対に。

对不起。宅很不甘地说道

已经没什么新的线索了

你还记得吗。那三张GIF

印度的三个城市。三轮车的照片。

这些都是电器街。类似于日本的秋叶原。

我完全不知道啊。在小胡同里花两美元就能买到windows

那些地方被选中绝对是有理由的。

 

でもそれが何なのかはわからない。

オタのため息。近くて音が割れる。

あのリスト。数字の羅列。

それはレターヘッドに印字されるように整えられてた。

いまでも意味不明の単語がいくつかあって

それは医用電子装置メーカ数社の名に似ている。

さらに疑って読み取れば、液体シンチレーションカウンタだの

染色体画像解析装置の型番にもぴったり重なる。

但我不知道那是什么

宅叹着气。声音嘶哑着

那个清单。那些数字的罗列

它们像是被印成笺头那般整齐地排列着

到现在也还有一些不明含义的单词

这些单词再往下理解的话,液体闪烁计数器

与染色体画像解析装置的型号也完全吻合

 

これはきっと偶然なんかじゃない。

オタは企業情報と口にしかけ

それから、いやあり得ないと一蹴した。

「もういいよ、オタ……」

それこそ荒唐無稽だ。

这一定不是什么偶然

宅刚想说那是企业情报

然后又马上否定了这个想法,说这不可能

「已经够了,宅……」

那才是荒诞无稽

 

苦しまぎれに頭を切り換えようとして

むこう一月分のインド行き予約状況を調べてみた。

そこに嬢様の名があった。

偽名を使ってないところをみると

これで終わりにしようとしてるんじゃないのか。

もちろんおれの言ってることはすべて当て推量だ。

だけど今夜手を離せば嬢様はもう帰ってこない気がする。

为了转换心情

我试着调查了对面一个月去印度的预约情况

在那里看到了小姐的名字

从没有使用伪名来看

是想把这个当做结束么

当然我说的话全部只是推测

但我觉得今晚你如果放手的话小姐就再也回不来了

 

621 名前:70 ◆DyYEhjFjFU   sage 投稿日:04/10/16(土) 22:37:44

もういいんだよ。オタ。

姫様はここにいる。ここにいてクマ探しに夢中だ。数分後には新しいクマの友達に出会えるんだろうけど、

僕が選んだ一匹と姫様が選んだ一匹の、顔の違いまではわからないだろうな。

数分前。電話の声がオタなのか、ぼくにはわからなかった。僕にとって確かなことは、姫様はまだここにいるってことくらい。

ふり返って手を伸ばすだけで、足元にしゃがんだ姫様の頭を撫でることができる。

あたたかい姫様の体温を感じることができる。

宅。已经够了。

公主在这里。在这里热衷于挑选小熊。也许几分钟后会遇见新的熊朋友,

虽然自己选的那只和公主的那只,甚至无法分辨出长相的不同。

几分钟前。电话里的声音是不是宅,我已经不清楚了。对于我而言,可以确定的是,公主还在这里

转过身伸出手,就可以触碰到蹲在我身旁的公主的头。

能感觉到她温暖的体温。

 

 

店員をつかまえ、理由を説明してクマを取り替え、ついでに首のとこにりぼんまでつけてもらった。

真珠っぽい鈍い光沢の白いナイロンのりぼん。

彼女はご機嫌だった。

バッグを開いて編みぐるみのクマを放りこもうとしたとき、彼女の仕事用ケータイに着信があった。

「太田くんからメールが届いた」驚いて彼女は言った。

我拉住店员说明了情况,换掉了熊。顺便拜托店员在颈上系上了缎带

尼龙缎带有着珍珠般圆润的光泽

她似乎很开心

将包打开,把熊玩偶放进去的时候,她工作用的手机收到了一条短信

「太田君发来了短信」她惊讶的说

 

ケータイを見つめたきり動かない瞳。

彼女の顔から笑顔が消え、低い空とおなじで曇ってしまった表情がそれからしばらく晴れることはなかった。

メールの内容は教えてくれなかった。

代官山のどこか、無数にある小さな横断歩道。僕を先に歩かせた彼女の声が後ろから聞こえた。

「ヒロはいいね。太田くんまでやさしくて」

盯着手机一动不动的瞳孔

笑容从她脸上消失,如同低沉的天空般忧郁的表情在那之后许久没有转晴。

她没有告诉我邮件的内容。

代官山那数不清的人行横道的某处。让我先走在前面的她的声音从身后传了过来。

「弘真幸福呢。连太田君都那么温柔。」

 

上一章 目录 下一章

 

没看够?点击查看更多中短篇故事长篇故事


↓喜欢我们的文章请您与朋友分享


鹳

本文作者:

我要投稿

相关文章:

Comments

目前有 6 条精彩评论

  1. Rosky-罗斯基
    Rosky-罗斯基 发表于: 2017年2月18日 22:45:37

    太田君是 宅?

    • Devilsarms
      Devilsarms 发表于: 2017年2月19日 00:29:41

      对啊,太田是宅的真名

  2. 匿名
    匿名 发表于: 2017年2月18日 22:48:17

    真的。。这种写作方式看的人真的各种不舒服,运用各种东西修饰一个很简单的东西,看的我难受死了,顺便翻译大大辛苦了

  3. 匿名
    匿名 发表于: 2017年2月20日 07:21:34

    呀咧呀咧,翻得好精致,_(:з」∠)_继续期待下一篇

  4. 约束之地
    约束之地 发表于: 2017年2月20日 22:15:31

    失踪人口回归有木有····等你好久, 翻译辛苦了

  5. 同花大顺
    同花大顺 发表于: 2017年2月26日 10:06:45

    taida

Comments
发表评论

您的电子邮箱地址不会被公开。*标记为必填选项

按 [ Ctrl+Enter ] 键直接提交

  • 正确格式为: http://www.yourwebsite.com

返回顶部